1(一) Cは、Bに対し、その土地の所有権移転登記手続きをするよう請求することができるか。
(二) Cは、Aに対し、どのような請求をすることができるか。Cの請求に対するAの反論についても含めて説明せよ。
2 Cが請求をしないでいる間にBが死亡した。A,B間には子Dがいたが、Dは、相続を放棄した。この場合に、Cは、Aに対し、どのような請求をすることができるか。Dが相続を放棄しなかった場合には、どうか。
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答え
小問1(一)
Cは、Bに対し、その土地の所有権移転登記手続きをするよう請求するためには、本問の売買契約の効果がAに帰属する必要がある。
そのためには
@AC間売買契約締結
A上記契約締結の際にAが顕名した(99条1項)
B上記契約に先立ってBが上記契約締結についてAに代理権授与
の要件が必要
しかしBが上記契約締結についてAに代理権を授与していない
→本問の売買契約の効果がBに帰属していない→請求できない
ただし、Bが追認(116条)をしたときは、上記契約は有効に帰属するので、例外的に請求できる
上記Bの代わりに、日常家事行為に基づく代理権(761条)があるとして請求は?
しかし、不動産の売買は性質上、日常家事行為とはいえない→請求不可
上記Bの代わりに、日常家事行為に基づく代理権を基本権限として110条適用で請求は?
しかし、110条適用認めると、夫婦別産制(762条)が骨抜きになりかねない。
むしろ、相手方において、その取引が日常家事行為であると信じるにつき正当の理由がある場合、110条類推適用で
日常家事行為かどうかの判断基準は各夫婦の個別的事情に加えて取引行為の性質を勘案。
しかし、本問土地の売買は性質上、日常家事行為とはいえない
→110条類推適用不可
→Bが追認(116条)しない限り、請求不可
小問1(二)
Bに帰属するとき、特に請求できることはない
Bに帰属しないとき、117条1項に基づく損害賠償請求または履行請求
Aの反論、Cは善意無過失ではない→請求できない
117条の善意の意義が問題
117条の趣旨、代理権あると信頼して取引した相手方の保護、もっとも、117条の責任=無過失責任、との均衡を
→相手方=善意無過失
不動産取引、実印を持ち出しやすい配偶者が契約、委任状は?、A本人への確認は?
Cに過失あり
→117条に基づく損害賠償請求または履行請求は不可
でも取引的不法行為(709条)として損害賠償請求ができる(もっとも過失相殺(722条2項)はありうる)
小問2
Dが相続を放棄しなかった場合
本人たる地位、A・Cが承継
無権代理人たる地位と本人たる地位、包括承継によっては融合せず併存する(∵融合すると偶然の事情によって相手方の取消権・催告権を奪う)
無権代理人、履行請求は信義則上拒否できないはず。
しかし、無権代理人と他の相続人が本人たる地位を承継していて、かつ、他の相続人が承諾しないとき、無権代理人の事情によって無権代理行為に関与していない他の相続人に不利益を与えることは他の相続人にとって酷+相続人毎に取引について異なる扱いをすると権利関係が複雑化してしまう。
→無権代理人と他の相続人が本人たる地位を承継していて、かつ、他の相続人が承諾しないときは、履行請求不可
もっとも、その場合でも、損害賠償請求はできる。
Dは相続を放棄した場合
他の相続人がいない→Aの単独相続と同じ
→無権代理人、履行請求は信義則上拒否できない
→履行請求・損害賠償請求できるはず
しかし、特定物引渡し債務の履行が相続という偶然の事情によって、左右されること、履行受けられるのは相手方を保護しすぎ
→履行請求はできない
→損害賠償請求はできる
関連条文
モバ!六法 民事系 民法・財産法 代理99-118
http://6hou.web.fc2.com/minzaisan/99-118.html
(代理行為の要件及び効果)
第九十九条 代理人がその権限内において本人のためにすることを示してした意思表示は、本人に対して直接にその効力を生ずる。
2 前項の規定は、第三者が代理人に対してした意思表示について準用する。
(権限外の行為の表見代理)
第百十条 前条本文の規定は、代理人がその権限外の行為をした場合において、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときについて準用する。
(無権代理)
第百十三条 代理権を有しない者が他人の代理人としてした契約は、本人がその追認をしなければ、本人に対してその効力を生じない。
2 追認又はその拒絶は、相手方に対してしなければ、その相手方に対抗することができない。ただし、相手方がその事実を知ったときは、この限りでない。
(無権代理の相手方の催告権)
第百十四条 前条の場合において、相手方は、本人に対し、相当の期間を定めて、その期間内に追認をするかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。この場合において、本人がその期間内に確答をしないときは、追認を拒絶したものとみなす。
(無権代理の相手方の取消権)
第百十五条 代理権を有しない者がした契約は、本人が追認をしない間は、相手方が取り消すことができる。ただし、契約の時において代理権を有しないことを相手方が知っていたときは、この限りでない。
(無権代理行為の追認)
第百十六条 追認は、別段の意思表示がないときは、契約の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者の権利を害することはできない。
(無権代理人の責任)
第百十七条 他人の代理人として契約をした者は、自己の代理権を証明することができず、かつ、本人の追認を得ることができなかったときは、相手方の選択に従い、相手方に対して履行又は損害賠償の責任を負う。
2 前項の規定は、他人の代理人として契約をした者が代理権を有しないことを相手方が知っていたとき、若しくは過失によって知らなかったとき、又は他人の代理人として契約をした者が行為能力を有しなかったときは、適用しない。
モバ!六法 民事系 民法・財産法 不法行為
http://6hou.web.fc2.com/minzaisan/709-724.html
(不法行為による損害賠償)
第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
(損害賠償の方法及び過失相殺)
第七百二十二条 第四百十七条の規定は、不法行為による損害賠償について準用する。
2 被害者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の額を定めることができる。
婚姻の効力、夫婦財産制
http://6hou.web.fc2.com/mimshin/750-762.html
(日常の家事に関する債務の連帯責任)
第七百六十一条 夫婦の一方が日常の家事に関して第三者と法律行為をしたときは、他の一方は、これによって生じた債務について、連帯してその責任を負う。ただし、第三者に対し責任を負わない旨を予告した場合は、この限りでない。
(夫婦間における財産の帰属)
第七百六十二条 夫婦の一方が婚姻前から有する財産及び婚姻中自己の名で得た財産は、その特有財産(夫婦の一方が単独で有する財産をいう。)とする。
2 夫婦のいずれに属するか明らかでない財産は、その共有に属するものと推定する。
関連知識
関連知識民法教室 ―フリー・ロースクール版: 無権代理、無権代理人が本人の配偶者のときの処理手順
http://minpou-lawschool.seesaa.net/article/53001894.html
117条の趣旨
http://minpou-lawschool.seesaa.net/article/53002103.html
無権代理、表見代理における、善意無過失・「正当な理由」を判断する上での考慮要素
http://minpou-lawschool.seesaa.net/article/53002283.html
無権代理人に対して117条に基づく責任追及ができないとき、
http://minpou-lawschool.seesaa.net/article/53002401.html
本人たる地位を無権代理人が単独で包括承継したとき
http://minpou-lawschool.seesaa.net/article/53002768.html