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2007年09月08日

平成11年・刑法第1問

甲と乙は、乙の発案により、路上で通行人を恐喝して金を取ることを計画し、ある夜、これを実行に移すことにした。予定の場所に先に来た甲は、約束の時間を過ぎても乙が現れないため、いらいらしていたが、そこに身なりの良いAが通り掛かったので、計画を実行することにし、Aに近づいて、「金を出せ。」と脅した。Aが逃げようとしたため、気の短い甲は、いっそAを気絶させた方が手っ取り早いと考え、携帯していたナイフの柄の部分で背後からAの頭を力任せに殴った。そこに現れた乙は、それまでのすべての事情を了解し、甲と一緒に、意識を失いぐったりしたAの懐中から金品を奪った。乙が一足先に立ち去った後、甲は、Aの様子がおかしい事に気付き、息をしていないように見えたことから既に死亡しているものと誤信し、犯行の発覚を防ぐため、Aの身体を近くの山林まで運び、茂みの中にそのまま放置した。Aは頭部に受けた傷害のため数時間後に死亡した。
 甲及び乙の罪責を論ぜよ(特別法違反の点は除く。)。

 上記問題の答案をメール経由で、一通980円で添削します。
 添削申し込み方法は下記リンク(解答・解説・関連知識・関連条文)をクリックしてご覧ください。


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 受験新報紙上答案練習会にて幾度も優秀答案・参考答案に選ばれ、(新・旧)司法試験合格者による答案練習会においてしばしば高い評価を受けてきた当サイト管理人が、一通980円で添削します。

 答案作成者の個性を尊重するためざっくりとした添削になりますが、予備校の添削とは異なり、反対説・論点(論証ブロック)の詳細な論述よりも、論理の流れ・文章表現の簡潔さを重視して添削します。

ロー入試・新司法試験合格にとって非常に重要な文章作成能力・答案作成能力を向上させるのためにも第三者に添削をしてもらうことは非常に重要です。

 法科大学院(ロースクール)では、新司法試験突破のために必要不可欠な文章作成能力・答案作成能力のためのトレーニングはほとんど行われません。

 法科大学院(ロースクール)では決して受けられない文章作成能力・答案作成能力のためのトレーニングとして、答案添削を受けることは新司法試験突破にとって非常に効果的なな手段です。

 自分で書いた答案の良い点・悪い点を他者の目を通じて評価してもらうことは、文章作成能力・答案作成能力を向上させる上でとても重要です。

 申し込み方法は下記の通りです

1.ワープロソフト・テキストエディタ等で答案を書いてください。

2.下記バナーをクリックして、PayPalにて980円を支払ってください(クレジットカード使用可、一度送金された金銭は理由の如何を問わず返却できかねます)。


3.このメールフォームに、あなたの氏名・(上記2の支払いにて使用した)メールアドレス・選択した問題の科目名・年度・第一問か第二問かの区別、上記問題の答案を記入し、送信ボタンを押してください(送信前に必ず、PayPalにて980円を支払ってください。支払っていただけないと、添削ができませんのでご注意ください)。

4.答案を添削の上、後日(およそ数日から2週間後)、(上記2の支払いにて使用した)メールアドレス宛てに添削した答案をメールにて送信します(yahoo.co.jpドメインからメールを送信しますので、メーラー等はyahoo.co.jpドメインを受信拒否にしないようにお願いします

関連知識

因果関係の判断方法
http://crime-code.seesaa.net/article/53524739.html

故意責任の本質と事実の錯誤
http://crime-code.seesaa.net/article/53523242.html

行為者の認識していた事実と客観的事実とで構成要件該当事実が異なる場合、錯誤の処理方法

http://crime-code.seesaa.net/article/53523470.html

死体であると誤認して生きた人を遺棄した場合における錯誤の処理方法と行為者の罪責http://crime-code.seesaa.net/article/53523813.html

共同正犯(60条)の本質(一部行為全部責任)
http://crime-code.seesaa.net/article/51345018.html

承継的共同正犯の成否
http://crime-code.seesaa.net/article/53524071.html


関連条文
モバ!六法 刑事系 刑法賭博などhttp://6hou.web.fc2.com/keihou/185-192.html

(墳墓発掘死体損壊等) 死体遺棄罪
第百九十一条  第百八十九条の罪を犯して、死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、三月以上五年以下の懲役に処する。

モバ!六法 刑事系 刑法遺棄、逮捕監禁、強迫http://6hou.web.fc2.com/keihou/217-223.html

(遺棄)
第二百十七条  老年、幼年、身体障害又は疾病のために扶助を必要とする者を遺棄した者は、一年以下の懲役に処する。

(保護責任者遺棄等)
第二百十八条  老年者、幼年者、身体障害者又は病者を保護する責任のある者がこれらの者を遺棄し、又はその生存に必要な保護をしなかったときは、三月以上五年以下の懲役に処する。

(遺棄等致死傷)
第二百十九条  前二条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。

モバ!六法 刑事系 刑法財産
http://6hou.web.fc2.com/keihou/235-257.html


(窃盗)
第二百三十五条  他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

(強盗)
第二百三十六条  暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。
2  前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

(強盗致死傷)
第二百四十条  強盗が、人を負傷させたときは無期又は六年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。

モバ!六法 刑事系 刑法共犯
http://6hou.web.fc2.com/keihou/60-65.html
(共同正犯)
第六十条  二人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。

答え

1.甲の罪責
背後からAの頭を力任せに殴った・Aの懐中から金品を奪った行為まで

 強盗行為+頭部に受けた傷害のため数時間後に死亡+甲は気絶させるつもり(=殺意なし)
 →強盗傷害致死罪(240条)か、
それとも
 放置されたことで死亡した
 →強盗傷害罪か
 暴行と死亡との因果関係は?
因果関係の判断方法の問題
 条件関係だけでは、処罰範囲が広がりすぎるので妥当でない。
 因果関係は構成要件要素であるところ、構成要件は一般人を基準に類型化された違法類型+行為者が認識していた事情に基づいて行為者の責任を問うても不都合はない
 →因果関係の有無は行為時において一般人の認識しえた事情及び行為者が認識していた事情を基準に社会通念上相当か否かにより判断されるべき

  本問では当然あり

 →強盗傷害致死罪(240条)、成立(乙とは強盗罪の限度で共同正犯成立)

死亡しているものと誤信、Aの身体を近くの山林まで運び、茂みの中にそのまま放置した行為
(1)問題提起
 客観的には保護責任者遺棄致死罪(219条)
 主観的には死体遺棄罪(191条)
 錯誤がある→何罪が成立するか
 行為者の認識していた事実と客観的事実とで構成要件該当事実が異なる場合、錯誤の処理方法が問題
(2)規範定立
 故意=規範の問題に直面したのにあえて実行行為に及んだことへの非難。
 故意は構成要件要素であるところ、構成要件は一般人により類型化された違法類型。
 →一般人の認識を基準にして規範の問題に直面しうる事実を行為者が認識していたときに限り、規範の問題に直面しえたので、故意責任を問える。
 行為者の認識していた事実と客観的事実とで構成要件該当事実が異なる場合、行為者の認識していた事実と客観的事実とが重なり合う限度内に限り、故意責任を問える。重なり合うか否かは刑法典の保護対象たる法益と構成要件要素たる行為の二点を判断要素にして判断すべき。
(3)あてはめ
 法益 肉体(死体)+生命=人
  →遺棄と死体遺棄は肉体(死体)の限度で重なり合う
 行為 肉体(死体)を遺棄する
       と
    人(=肉体(死体)+生命)を遺棄する
     →両者は類似
  →行為者の認識していた事実と客観的事実とが重なり合う限度=死体遺棄罪
   →死体遺棄罪のみ成立
 甲の罪責=強盗傷害致死罪(240条)の共同正犯+死体遺棄罪(191条)、両者は併合罪
2.乙の罪責 
Aの懐中から金品を奪った行為
(1)問題提起
 事前の共謀は恐喝だけ+(甲と実際に共同して行った)乙の行為は窃取だけ→窃盗罪(235条)か
 それとも、甲と強盗の現場共謀→強盗罪(236条)か、強盗傷害致死罪(240条)か
  
  先行者の実行行為の途中から参加した後行者に対して、参加前の先行者の実行行為についても責任追及できるか。承継的共同正犯の成否が問題
(2)規範定立
  共同正犯(60条)の本質(一部行為全部責任)
  =二人以上の者が他者の行為を相互に利用補充し合うことで法益侵害惹起の危険を高めること
   →共同正犯の成立要件=@共同実行の意思+A共同実行の事実
  承継的共同正犯の場合、先行者の実行行為を自己の行為として積極的に利用する意思がある限り、二人以上の者が他者の行為を相互に利用補充し合うことで法益侵害惹起の危険を高める関係が認められる
 →先行者の実行行為を自己の行為として積極的に利用する意思がある場合に限り、参加前の先行者の実行行為についても責任追及できる。
(3)あてはめ
 甲が作り出した反抗抑圧状態は利用している→先行者の実行行為を自己の行為として積極的に利用する意思がある
 しかし、傷害・致死の結果は利用していない→先行者の実行行為を自己の行為として積極的に利用する意思がない
   →強盗罪(236条)の共同正犯が成立








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